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山口剛正
山口法美
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母 マリア伝

 

山口 法美

 

ゴルゴタの丘

 

その時、シオンの大地が激しく揺れ、周辺の全ての内海では、荒波が轟い

た。

ゴルゴタ丘の天上では、神殿の垂れ幕が、上から下まで、真っ二つに引き

裂けて、開いてしまっている。

磔で、呻く、男の声。

「エリよ。エリよ。我をお見捨て、給いしや」

磔刑が舞台になった、そのカリヴァリの丘では、十字架が三本、暗黒の雲

を背景に、シルエットになって突き建っている。それぞれの十字架には、

男が一人ずつ磔になっていた。中央の刑台の前に、立つ竦む婦人連れの

ふたり。一人は若く、他は年老いて見えた。二人の足元には酢が満載され

た酢壺が一つ置いてある。強烈な酢のにおいが陰険な丘の夕べに、一陣

の香りを漂よわす。

「ご婦人、わたしはあなたの息子」

磔の上から、男は年上の女性に向けて問いかける。

男の母親は、無言で頷く。

「嫁御よ、このご婦人は、あなたの義理の母」

男は、そして、今度は、年下の女性の方に向いて話しかける。男の新妻も

無言のまま頷いて、姑となった婦人の間席を我が胸の奥に設ける。

老若ふたりの女性は互いの腕を抱きあい、男の声に聞き入る。サバテの始

まる日暮れが迫り、休日の勤めの兆しを告げている。

「ああ、喉が乾く」

男の苦しむ声がもれた。

男の母親が小走りで、酢の甕に駆け寄り、海綿を手に取り、壺の液体に沈

める。それを用意した葦の茎先に取り付け、男の口元に捧げた。護衛の百

卒長が直ちにそれを遮ると、それまで、経緯を傍観していた者たちが、叫

び声を放った。

「待て、その男、エリの名前を口にはしなかったか」

「見捨てるとは、誰のことかのう」

「その男に、水を飲ませるわけには、いかんのか」

「男は死にかているのではないのか。いや、もう死んでるのかもよ」

ローマ兵の雇われ百卒長である、ロンギヌスは磔台を前に腰を屈め、身構

え、素早く手にした、長槍の矛先を男の右脇腹に突き刺した。深呼吸をす

るがごとく、長い吐息が、深々と、暗い、静寂を破った。

母親の叫び声が放たれる。

「もし、護衛の者よ。息子を痛めつけるのは、もうやめて下さいませ。も

うたくさん。さもなければ、貴殿はライオンの洞穴に投げ込まれ、朝まで、

畜生の獲物にされますぞよ」 

古びた兜の影で、鈍い護衛の両眼は、盲いのそれのように暗く翳る。この

百卒長は永年、眼の患いに蝕まれてきた。百卒長ロンギヌスは止むを得

ず、ライオンの洞穴をほのめかすこの女性と対決せんと、心を構えざるを

得なかった。婦人は磔になっている男の喉の渇きを潤すために、用意して

きた酢を与えさせてもらいたいと頼んでいるのだ。

ロンギヌスには為すべき役割がまだ残されている。護衛が磔にされている

男の脇腹を刺したのは、男の生死を確かめるだけの故だった。ロンギヌス

には、男に、止めを施すつもりはなかった。掟では男が死ぬまで待たねば

ならない。死ななければ、男の足のくるぶしの骨を折るという、ピラト総

督に申し付けられた命に従うのが、次にしなければならない役目なのであ

る。

男は確か、天界にいるはずの者と、独白の応答を重ねていた様子。護衛の

身には、なぜこの男が処刑されなければならないのか、知らされていなか

った。ロンギヌスにするならば自分に関わりのないことであるから、それ

は、知るべきことでもないことではあった。しかしながら、男の脇腹に槍

の穂を入れた瞬間、突然、我が右脇腹に痛みが走り、あたかも、わが身

が、ライオンのいる洞穴に投げ込まれたかのような幻覚を意識したと思った

のが気になった。

そして、その幻覚から覚めてみると、身に受けたライオンの牙の痛みは無

くなっていた。十字架に磔られた男の脇腹から流れた、血の雫はロンギヌ

スの槍の穂先をつたい、百卒長の腕と手を濡らした。血に濡れた腕と手

で、自分の目を拭っていたロンギヌスは、自分の両眼がその時、男が息を

引き取った様を、はっきり確認していた。ローマ人百卒長は驚き恐れた。何

故、病まっていた目が見えるようになったのかと当惑する。

思いついて、目の前の婦人に尋ねた。

「磔の男は何者なのかな」

「私の愛しい息子です」と、婦人が答える。

ロンギヌスは視覚の直った、両眼を侍して、婦人のする様をしっかり見届

けようと心を固めた。婦人は、必死になって、男の唇の先に酢を含ませた

海綿を、葦の茎の先に付けて、男の唇を濡らさんとしている。

「そうであったのか。ならば、この男が、あの『神の子を』を自称して、

お上を蔑ろにしようとする、無礼者ものだったというわけなのか」

槍を片手に百人卒長が尋ねる。

「この子は私の腹を痛めた子どもでしかありません」と、婦人は答える。

「ご婦人、お息子は最後の息をお引き取り、今や事切れていらっしゃいま

す。お酢をお飲ませになることは、無意味なことと思われますが」

ロンギヌスは語勢を柔らかにして言葉をかけた。

「息子はこれより先、私の胸の中で生きてまいります。この子は私のもの。

この子が生まれた時のように、胸に抱いて、この先、生きていくことがで

きます。この子の唇を、お酢で潤し、私の心の奥深くまで、思いを届けさ

せてくださいますよう、お願い申しあげます」

丘の上の刑台から、少し離れて、一部始終を見守る別の群れの中に、いま

ひとつ、男の身内になるものたちの集まりがあった。その中にはアルマテ

アから、今朝、駆けつけてきた、正義を齎す人ヨセフがいる。ヨセフはピ

ラト総督の許可を得て、磔にて命を落とす男の身柄を、家族を代表して、

受け取る許しを得てきていた。

ピラトはその承諾を全うするために、その男が間違いなく刑を受け、死に

至ったむね、係りの、百人卒長を喚び、その是非の確認を質した。男の亡

骸は係りの護衛の確認を得て、総督は約束どうり埋葬用のキャタビラを買っ

ておいたヨセフに給わる。ふたりの婦人、一人は男の母、他は男の妻。用

意してきた油脂、香料で男の遺体を洗い清めて、帷子に包み、近くに用意

されてあった岩墓まで運んだ。ヨセフは男の遺体を抱えて、ひとり、その

岩墓に入る。暫くの時が経過する。埋葬を終えたヨセフが巨大な円形の石

戸を閉じる。その一部始終を、男の母、妻、その他の血縁者が目撃、男の

遺体が滞りなく、埋葬された旨、確認した。

「吾には流したくとも、流す涙は涸れ果てて、泣き咽ぶことも能わず」

と、洩らして、唇を噛む男の母。

「われも同じく、流す涙は涸れ果てました」と、男の新妻。

男の母と妻は砂漠で涸れ果てた井戸のごとく、涙の源泉は涸れ干し、泣く

こと能わず、それぞれの同じ思いを噛み締めながら、手と手を、言葉なく

取り合った。

「男の連れのものたちは、いかがいたした」

傍観者の群れの中から、声荒らげて質す声があった。男には一団の連れ

のもの、男を師として崇め、宣教に付き従うもの、「12 人の信徒」と呼ばれ

る門弟たちがいたと言われる。

「その弟子の者たちならば、みんな、昨夜、とっとと、逃げ去ったという

ことよ」と、その群れの中から、声が応じた。

「お弟子の皆さん、羊の群れが散ってしまうみたいに、一目散に逃げ去っ

たいう事になりましょうね」

と、咎める声も聞こえた。

 

「どういうこった、それ」と、一声、問う者がいる。

「と、いうことは、お弟子のみなさん、臆病者じゃったということでしょ

うが」と、もっともらしく、自問自答をする声。

「そんなことはあるまいよ」と、誰かが、打ち消す。「お門弟のラビは、

この度、お上から、死罪を申し付けられた者じゃがのう」

「お頭さんというものは、権力のあるべきものよ。だから、子分ができて、

付いてくる。お仕置きになる、ご主人についていくものは、まず、おらん

でしょうが」

群れからの声は、その声に、従うように途絶え、沈黙した。傍観者の群れ

は知らなかったことのひとつ。前々夜、男が捕獲される前に、弟子たちと

の間で交わされた、会話があったのである。

男には確かに信徒と呼ばれた、男の生地から付いてきた、多くの弟子の連

れたちがいた。しかしながら、エルサレムの神殿で、両替を商いにする商

人たちに狼藉を働いたことが、都の神殿を司る、長老会の権威者たちの絶

好な咎めとなって、男は危険を伴う、反乱罪、要注意の男となってしまっ

ていた。男と弟子たちの間の会話はかくして始められた。

お弟子の先生と言われた男はその弟子を称するものに、「わたくしが入牢

の暁に当たって」、諄々とお智になったという事である。「逃隠れするこ

と」とは、実は、彼らの師が自ら奨めた知恵だった。すなはち。

「今この際、みんなに、よく言っておくべきことであるが、今晩から、朝

方にかけて、一番鷄が暁を告げる前に、おまえたちは、三たび、わたくし

をあなたの師ではないこと。わたくしとは関係ないと否定するのである」

と、述べた。

これを聞いた、弟子主席のシモン、ペトロが、やおら、身をを正して、異

儀を唱えたものである。

「わが、はらがら(同胞)が皆、あなた様をお見捨てになるような行いを

申し上げましても、私一人だけは、そのような真似は致しかねます」と、

言った。その時、同席したものは、すべて、ペトロの発言が正しい事。言

葉を繰り返して、こう申した。

「仮に我が命を懸けましても、あなた様を見捨てるような行いは申しあげ

ますまい」

ともあれ、翌朝、師の磔に当たって、すべての弟子は朝方までに、一番鷄

が暁を告げる前までに、三たび、それぞれが、彼らが慕う師を否定した。

検察の役人の尋問を受けて、

「この方は、わたくしの知るところのものではありませんと」、応答した

ものである。

役人の尋問は、

「お前はガリラヤから、この男に従って、付いててきたものではないか」、

と、いうのがその問いであった。

「この方は、わたくしには心当たりのないお方です」と、否定の証を繰り

返すること、三度。すべての弟子が、自ら誓った自らの言葉を偽る証しを

をして、その結果、悔恨の苦しみを味わうことになってしまったものであ

る。

弟子たちには男が予告したとうり、弟子たちの口唇の裏切りが、何を意味

するものなのか、その時は気がついていなかった。男は弟子たちの義師、

この集まりの責任者である。師とのつながりが発覚されるならば、それは、

主と同じく、我と我が身の命の問題に関わることを自覚していたことにな

る。師も自分も、エルサレム宮殿の敷地にある、祭祀者たち寺院の権力者

から、無法者としての汚名を着せられたことが発覚すれば、当然、師とと

もに、お仕置きを受けなければならない。事実を偽って、師の後を追うこ

と意外に、なすべきことがあって、然るべき筈であった。

結果的には皮肉な現象ではあるが、あたかも、羊の群れが散乱するかのよ

うに逃げ去ってしまったように見受けられたものである。弟子たちが、そ

の後、恐怖のあまり、門弟としての義務を履行できなかったことを自覚す

る。師を裏切り、自らの契約の言葉を裏切り、我が身を臆病者、裏切り者

と断罪して、自己否定の思いに苛むという贖罪の苦しみを味あう。

自分の考えをほのめかすという行いには、その行いの不純な後ろ冷たさを

自覚しての行いであるために、男の門弟には、イスカリオットのユダ、母

と妻を除いては、男の指示の真意が理解できていなかった。使徒達の悔恨

と罪の意識が、男の教えを伝える宣教の糧となり、男の伝説が永遠の話と

して残り、宣教に功を奏したのはその為である。

イスカリオットのユダ、男の母、その妻は、それぞれが愛するその男が、

なぜ男の使徒が、男との無縁を主張することを諭したのか、その趣意を納

得していた。三人とも、男の予言が、将来、使徒を導く趣旨につながるこ

とを理解していたがゆえである。

男の教えを信じて、男に従うものたちには、自らを男の弟子だと自負をし

ていた。しかし、男の死を目前に控えるに当たって、男の門弟であること

を否定する心になることの準備ができていなかった。

人は自らの死を恐れる。だからこそ、神の国への道を知る男を創造して、

先祖伝来の啓典に記された、「神の子」と名付け、その男に従うことを決

意する。人々はその男が、「神の国」に至る道を知っていると思い込み、

男について行く。しかしながら、門弟に「神の国」が存在することを知ら

せるには、十字架に磔になって、自分で死んで見せない限り、成し得ない

ことがわかってしまえば、男が使徒の師であることを否定すること、その

指示を与えておかなければならなかったのである。

師弟の間柄の礼節に忠実であろうとする、見かけの信仰心に誑かされず、

使徒の全てが、師弟としての交わりを否定することが、百年、千年の年月

を経て、地の果てにまで、彼らの師の教えが広汎することになる。師を否

定することは、決して、師を裏切ることではなくして、それは明らかに、

師の教えに忠誠を尽くす行いともいうべきことになる。恐怖のあまり、師

の言葉に従って、難を避けようとする卑しい行いだと批判される価値なき

仕業では無いしだいである。

シモン、ペトロは自分自信の言葉を裏切ることになるとは予想もしていな

かった。恐れのあまり、師を三たび、否定してしまった己の、情けなさを

悔やみ、師の処刑の日は、終日, 意気地のないわが信仰心に失望し悔い

悩んだ。男の他の使徒たちも同様、彼ら自身の言葉を履行できなかった、

全ての門弟が、苦悶に身を苛なめられた。

「ハレルヤ」

一方、男の母は、男の聖墓の丸石の戸が閉ざされら時、息子の妻にも聞か

れぬように、こころの中で呟いた。彼女には、息子が取らざるを得なかっ

た、みずからの信念のために殉教する決心を止めることはできなかった。

なぜならば、それは息子の選んだ選択であり、これを行うことで、自らの

信仰を世に示さなければならないという、使命感にもとずいていることに

気がついていた所以である。

男の母は、怨讐の彼方に新生があると信じていた。だから、我が胎内に、

招からざる子種を宿した時、これを育み、分娩、我が手で育て上げること

を決意した。息子は苦しい生活苦を受けたにもかかわらず、その生誕を全

うさせて、曲がりなりにも、成長させることができた。

成長したわが息子は、卓越した才能と指導力を身につけ、衆人を引率する

人格を備え、息子を師と仰いで付いてくる信徒に、他人を憎むことなく、

仮に人に裏切られても、これを憎まないように教えてきたのを見守ってき

た。彼女は、自分の息子が、その母親が被った災害から何を学んだかをよ

く知り、痛みや苦しみを受けつつ育て上げたのを知っていた。

男の母は、我が身を欺き、罪深い生業を生きてきたことで、彼女を虐げて

きた男たちを許し、過ちを犯してしまった自らをも許す寛容さを育て上げ

ることの必要性を学びとった。恥を偲び、罪悪感から解放されることの正

しさを知る。男の母はこれを自分の息子から学んだと思っていた。悲しみ

のどん底に落ち込んだ男の母は、息子の死を無為に済ませることがないよ

うに、心に誓った。愛する息子がその信徒と母親、さらにはその妻をも捨

てて、わが生命をあたかも自らの手で止めるかのごとく、死んでいくこと

に使命感を抱いてしまったのでは、その決断を阻止することは能わぬこと

であった。

無心にわが息子に従って付いてくる門弟のために、公衆の面前で磔になる

ことが、その教えを永久に世にのこすことになるのであるならば、自分の

息子が、我が胸に、あたかも、息子が生まれた時のように帰ってくる喜び

になることもありうる。

「ハレルヤ」、男の母親はその言葉を、繰り返しながら、息子の志を祝福

するほかはなかった。我が子が他人様の尊敬に値して、慕われるのは嬉し

いことではある。しかし、苦しみを分け合った我が子が我が手元を離れて、

民びとたちの群れに混じって、市井の政に多忙な幾年を過し始めるのは、

母子が水入らずの夕食の機会をともにする喜びには比べることもできまい。

男の母には息子の弟子たちを恨む思いは微塵もなかった。男の教えが福

音の言葉とともに世に伝わり、男の母の苦しみが万人の母親の心に伝わ

るものならば、それはそれで、男の死も報いられることもありうるのだから。

 

 

ベタニ郷での婚姻

 

 

 

男が磔になる七日前のこと、男と男の使徒たちの一行、その家族のものた

ちが、エルサレムに到着した時のことである。一行はベタニと呼ばれる郷

村にある、マルタとマリアの兄であり、病に臥せるラザラスの住居を訪れ

た。

ベタニ郷はエルサレム都の郊外約数キロ先の沿路にあった。

男とその一行はユダヤの地を後にして、恒例の「過越の祝い」を前にして、

「荒野」の地に向けて修業の路に着くところを、男のパトロンであるラザ

ラスの使者から、男の後援者が急病で倒れ、危篤に陥いった旨、知らせを

受けた。

「この不虞の事態に当たって、ひと、ひとりの命がうしなわれることがあっ

ては、なるまいぞ」と、男は自分の連れの一行に述べた。

「ユダヤに戻ることにする」

「我々の後援者であるラザラス、我が義理の兄にともなる方に、もしもの

ことがあってはならない。長い眠りに落ちいることがないように、私は今

すぐに戻って、お起こししなかればなるまい」と、男は宣告した。

使徒の一人が、「師よ、ユダヤでは土地のものが、貴師を石を持って、傷

つけようとされませんでしたか、それでも、ユダヤにお帰りになると言わ

れるのでしょうか」

「一日には昼と夜がある。夜の旅は足元が見えないから危険だが、昼なら

ば、明るいから物事を正しく見極めることができるというもの。旅を昼に

するならば、私どもを悪人と、見間違いするものはおるまいと思うが」

トマス、諱を「双生児」ともいう使徒の一人が、師の言葉を受けて、

「それでは、これからみんなで、ユダヤの地に戻りましょう。それで、も

し、師の身に間違いが起これば、みんなで天国まで、お供ができるという

ものよ」

男とその連れもののたちが、ベタニに着くと、男の義理の兄ともいうべき

パトロンはすでに亡くなり墓に埋葬されてしまって4日にもなることを知

らされた。

「師よ、師がここにいて下されれば、兄は死ぬことはなかった筈ですのに」

と、ラザラスの妹である、マルタとマリアが述べた。

「ご婦人、我らの兄は死の床にお入りあそばされても、お起きになること

ができます。埋葬されたお墓に、わたくしをお導きください」

男は毅然として、そう、宣言した。

その時、マリアとマルタの屋敷では、ラザラスの死の知らせを受けた、ベ

タニの村郷に住むヘブライの民が、みんなで、ラザラスの死を悼むでいた

 

「我々の後援者であるラザラス、我が義理の兄にともなる方に、もしもの

ことがあってはならない。長い眠りに落ちいることがないように、私は今

すぐに戻って、お起こししなかればなるまい」と、男は宣告した。

使徒の一人が、「師よ、ユダヤでは土地のものが、貴師を石を持って、傷

つけようとされませんでしたか、それでも、ユダヤにお帰りになると言わ

れるのでしょうか」

「一日には昼と夜がある。夜の旅は足元が見えないから危険だが、昼なら

ば、明るいから物事を正しく見極めることができるというもの。旅を昼に

するならば、私どもを悪人と、見間違いするものはおるまいと思うが」

トマス、諱を「双生児」ともいう使徒の一人が、師の言葉を受けて、

「それでは、これからみんなで、ユダヤの地に戻りましょう。それで、も

し、師の身に間違いが起これば、みんなで天国まで、お供ができるという

ものよ」

男とその連れもののたちが、ベタニに着くと、男の義理の兄ともいうべき

パトロンはすでに亡くなり墓に埋葬されてしまって4日にもなることを知

らされた。

「師よ、師がここにいて下されれば、兄は死ぬことはなかった筈ですのに」

と、ラザラスの妹である、マルタとマリアが述べた。

「ご婦人、我らの兄は死の床にお入りあそばされても、お起きになること

ができます。埋葬されたお墓に、わたくしをお導きください」

男は毅然として、そう、宣言した。

その時、マリアとマルタの屋敷では、ラザラスの死の知らせを受けた、ベ

タニの村郷に住むヘブライの民が、みんなで、ラザラスの死を悼むでいた。

弔問客たちはマルタ、マリア姉妹と男の話、男がラザラスを生き帰らせる

かもしれない話を耳にしていたのである。

「義兄はいずれに埋葬されましたか」

男はマルタとマリアに聞く。

「ラビ、こちらです。ご案内します」

二人の姉妹が答えた。

姉妹と男の話を聞いいていた弔問客は、男が何をしてみせるというのか、

事情の異常さに驚いて、男と姉妹二人に従って付いていった。男とマルタ、

マリアを先頭に、居合わせた村の者は、全て、ラザラスの墓に着く。岩山

の辺に洞窟があり、巨大な石の扉が閉ざされている。

「石戸を押し開きなさい」と、男がいう。マルタは恐れ入って、逡巡する。

男の声は噎び泣きになる。

「我は生命の復活を行うもの。今ここで、その、徴をみなさまにお見せし

ましょう」、男は声高らかに申し渡した。思わぬ儀式のはじまりに、驚き

に怯えた見物の衆の中で、囁きを交わすものがいた。

「みろ、この男はラザラスをこれほど、愛顧されていたのだ」

「話によると、この方は、盲目者の眼を癒された方とか、とは言うものの、

ラザラスを死から救うことはできなかったものと見える」

人々は寄りあって、閉ざされてあった、石の戸を押し開いた。男は天を仰

ぎ、叫んだ。

「天の父よ、われを認め我が声に、御耳を傾けてくだされましたこと、何

時ものとうりとは申せ、今一度、感謝の思いを申し上げさせていただきま

す。しかし、この喜び、今日はさらに声をあげて、あなたを崇え、これを

見ている衆人に見てもらうため、そして、あなたのお力を知ら示すため、

わたくしを信じ、この世にお送りされましたことを、ご証明くだされまし

た」

そして、男は、威厳を正し、声高らかに叫んだ。

「ラザラス。出ていらっしゃい」

男の仕草と音声は、あたかも、舞台に立つ役者のごとく、劇的に際立って

みえ、聞こえた。すると、その声を待っていたように、死んでいたはずの

ラザラスが岩墓の中から現れたのだ。その手、腕、足は白い装束に纏われ、

顔と頭に頭巾を被っていた。自らを「復活の命」と自称した男は、共の者

たちに下知する。

「死者の装束をお脱り差し上げてくださいませ」、と。そして、ラザラス

には、丁寧な身振りで、「どうぞ、外にお出でましくださいませ」

ラザラスは両手を伸ばし、彼を現世に取り戻した男を朗らかに迎えた。

「我が弟よ、我の妹のただ一人の愛人よ、お前の来ることは予測していた

ぞ。我が愛妹が、貴君の頭に拙家の家宝である雪花石膏瓶の中の香油を注

ぎ、貴君の足部を彼女の黒髪で洗浄した時から、貴君が我の義弟となるこ

とは予測申し上げていた。貴君が来宅、私を死の床からお呼び戻してくだ

さることは、確信しておりました」と言って哄笑。

ラザラスは、男に近寄り、その肩を抱き、両頬に挨拶の接吻を施した。そ

して、小声で男の耳元で囁いた。

「遅かったな。心配したぞ」

さらに、死から蘇生してきたラザラスは言葉をついで、こう言った。

「今日は目出度い日ではある。わたしが、我が義弟の御力で復活の奇跡を

賜り、このお方が真のメシアの義人でいらっしゃる御徴をご披露くだされ

ました。この上は、今宵を我が妹をこの義人に差し上げる為の、婚姻の式

典にしましょう」

男はラザラスの言葉を謹んで聞き取り、義兄の肩を抱き、両頬に接吻を施

し、おもむろに、返答する。

「貴兄のお許しを、辱けなくお受けさせて頂きましょう。今宵は貴兄の復

活を祝い、私とあなたの妹御との婚礼の祝いを添えて、祝賀、晩餐の夜と

いたしましょう」

*********************************

 

男の嫁となったラザラスの妹の記憶によると、二人の初夜をかくのごとく

記述されたという。

その夜、かっての彼女の師である新婚の婿は、二人の新床にて、新嫁の衣

を優しく脱がした。雪花石膏瓶に充満していた香油を女の全裸体に、髪の

毛から、肉身は指の先からつま先まで注いだ。男の指手と舌先と肉体は乙

女の肉をくまなく探り、擦り、挿入される。男の愛戯は、女が陶酔の絶頂

に至るまで続けられた。

「師よ、あなたの手が、何故に、お震えになられますか」

男の右手が女の左乳に触れた時、嫁は問う。

「女よ、我が手が震えるのは、他でもない。この手は未だに乙女の肌を知

らなかった故。お前を、男の肉体が傷つけるのではないかと憂いたものだ

から」

「あなたさまのおからだが、わたしの肌を傷つけることは、決してありま

せん。わたしは、あなたを愛し、信じておりますので」

男の新妻は、その夜、夫に彼女の秘密をもらした。その秘密とはヘブライ

の民がアブラハムの時代から守ってきた女人割礼の式を父ヨセフの指図で

破戒していたことであった。ヨセフは仮にも彼の民の古い習わいとはいえ、

娘たちの女性の機能を損なうことを疎んじて、二人の娘にはこの戒律を施

さなかったのだという。

男は義父ヨセフの家訓を聞いて喜び尊んだ。そして、男の門弟たちにもこ

れを見習い、末長く、男の家門に関する限り女人割礼の破戒を、その家訓

として残すよう説得することを妻に誓った。

男はその夜、妻に男の母のことを打ち明けた。男の母マリアは彼女の意思

に背いて、多数の男性から恥辱を受けた体験をしてきたという。男の新妻

の話によれば、男はその事実を、母親一人に手で育て上げられていく間、

我が目でその経緯を見て、母親が受けた、肉体的、精神的な危害の事実を

知っていた。男は男の父親が異邦人であったことは予測できたが、その身

元を妻に知らせることはできなかった。

妻の師、今はその夫である男は、その夜、自ら仕組んだ自分の死の計画を

打ち明けた。その秘密とは、男の使徒の一人が、過越の祭の始まる日に、

男を裏切り、エルサレム神殿の祭祀長に密告して、逮捕させられるという

ことであった。

男の新妻は驚愕して、

「それで、あなたさまの身は如何になりますのでしょうか」と訪ねた。

「わたしは拘束されて、入牢、裁判にかけられ、次の日の夜までには、磔

になるであろう」と、男は答えた。

マリアは驚きのあまり、声を失い、それ以上、男を質すことはできなかっ

た。

「これは、私自身が仕組んだ姑息な真似であることだから、咎めは、私自

身にしかない。誰も恨むことのできないことではある」と、男は述べ、そ

の日、ラザラスを死から蘇生した時のよう咽び泣いた。

「わたしは、今度は私自身を復活させて見せるべく、今一度、芝居を打つ

しかないという次第である」

男は、泣いて拒む、男の妻を諄々と諭し、彼女がするべき役割を説明した。

男の妻は、兄のラザラスを復活させるために男が仕組んだ筋書きを、今度

は夫のために行うことを、約束しなければならなかった。

死に往く男を、香油で洗浄するという、ユダヤ民族が守ってきた、ヘブラ

イの伝統がある。男の妻は、伝統の規定に従って、男の頭から、足の爪先

までを、雪花石膏瓶に充満していた香油を注ぎ、その髪の毛で清める義式

を行った。

男の妻の塗油は、後世、著名な音楽家により、かくのごとく挙行されたと

歌われているいう。   

                      

     ***********************************************

汝は、世に知られし救世主

使徒の愚かな諍いの最中に

この高潔な聖女の手を以て

彼女の香油は御身の肌を

埋葬のために清める

嗚呼、願わくは、暫しの時

我が目から湧きだし流れる涙が

汝の頭を塗油することを

贖罪に伴う罪悪感と苦しみ

罪深き心を砕き絡め

かくして、我がむせび泣く涙の雫が

際たけて、貴重に、慰める

愛するわが救世主のお申し出でを。*

*********************************

男とその妻の祝言の宴に招待された、一人の客の覚書が残されている。

その覚書の記述によると、その夜、ベタニという村郷の郷宅で豪勢な華燭

の典が挙げらて、村中の村民が招かれた。その宴の主はラザラス、ラザラ

スを死の床から呼び戻した男が花婿、花嫁は家主ラザラスの妹、そして花

婿の母親も出席していたと記述されている。祝賀のお神酒を飲みつくすに

至って、花婿の母親が息子に、「祝いの葡萄酒がなくなった」と、告げた

という。

婿は「女よ、それを何故ゆえ我が処置しなければならないのでしょう。私

の出る幕ではありますまい」と答えたという。婿の母親は宴会の使用人向

けて、「このものが申すことに従うよう」と言いつけた。

ラザラス宅の酒蔵には、ユダヤの式典に使われる、ひと壺あたり、30ガ

ロン入る神酒用のかめ壺が、120個余りあったという。婿は使用人に、

その石のかめに井戸の水を満載すること。そして、花嫁の兄、ラザラスに

献上するように言いつけた。言われた使用人は言いつけられたとうりにし

た。宴の主人がその水を飲んでみると、水は発酵して葡萄酒になっており、

それがどからきたのかわからなかった。

ラザラスは花婿の母親を喚び、宴を主催して訪問客を迎える宴主というも

のは、訪問客の全てにまず、上質な葡萄酒を提供して、質の劣った酒類

は、客が酔ったのちに出すものなのに、あなたは、上質な葡萄酒をこの時

に至るまで、残しておいてくださった。ありがたいことです、と言って、感激

したという。これというのも、花婿の人徳というものということで、男の

使徒たちは、一層、自分たちの師の霊力を信じて、敬うことになったと言

われる。

この無名の著者による逸話には、この婚姻の宴で、ある種の奇行が行われ

たという書きぶりが顕著である。井戸水が葡萄酒に変わるというのは、明

らかに男が奇跡を起こした事実を記実して、男の霊力を暗示したものであ

る。ラザラスの復活に口を合わせようとする筋書きが、覚書の作為を思わ

せる。

その話が、男とその母親、その連れの者たちの間で、繰り返し, 口から口

に伝えられ、目撃されたことが世に広まった。男は病人を直し、水の上を

歩き、山上に集まってきた聴聞者に、パンを支給するという奇跡をなして

きた者である。当然、律法を厳格に守るパリサイ派の信者たちや、その祭

祀者にも報告され、その行いの不純な行為がパリサイ派の長老たちの顰

蹙を買ったものである。

「さても困ったことをしてくれたものだ。どうしてくれよう」、と彼らは

語り合った。

「この男は、明らかに、奇跡を自分で演出して、善良なものを誑かせてよ

うとしています。啓典に予言された救世主を自称しているという噂もあり

ます。このままにしておけば、世の中の者全てが、この男を信じてしまう

ことにもなりかねません。おそらくは、ローマからは軍隊が来て、われわ

れの都を侵略、寺院と国を滅ぼしかねない憂いがあるというものです」

エルサレム寺院の祭祀者の長老、カイエパスはその時こういったと言われ

ている。

「一人の男のために、国が滅びるよりは、一人の男が民びとに代わって死

ぬことが、より幸いなことである」、と。

「ひとりの男がヘブライの民に代って贖罪、全民族とその子孫末裔にも及

ぶ、神から選ばれた民の子供達が地上に離散していく未来を祝福できるの

であれば、これはまさに、幸せなことであるべきはずなのである」

これは、カイエパスが自分個人の意見を披露したのではなくして、たまた

ま、このエルサレム寺院の祭祀者の長老が、その時の大祭司であったの

で、その立場から、エルサレムの世論を代表して、男が、国に替わって死ぬ

ことの意義を、あたかも、神の予言者かのように披露して、男の処刑を暗に

示唆したものである。

男が磔の処刑にされたシオンの地は、タナハ啓典の民の神ヤハウェが、始

祖アブラハムに与えた土地、カナンの地のことである。、アブラハムの息

子イサク、イサクの子ヤコブを経て、末長くアブラハムの子孫が受け継い

できた「約束の地」ではあったが、その啓典の民は、アッシリア、バビロ

ニアなどの他民族の襲来をうけ、王国は敗れ、神殿は壊され、民は遠隔の

他民族の国へ拉致、追放され、囚隷の恥ずかしめを受けて、他民族の都市

を流浪する宿命を担うという、予言の歴史を持つ民となったものである。

それより、約5百年ほど前、ペルシャ帝国王、サイラス大王は時のバビロ

ニア帝国を降して、囚虜の身であるユダヤ人全てを解放した。パレスチナ

の故郷に自由に帰る事、寺院をたて直す事、本国を復興する事も許可し

た。

ところが、解放されたヘブライ民の殆どは自分達の国に帰らなかったのだ

といわれる。帰郷して、寺院を建て直し、郷里の復興に当たったものもい

た。しかし殆どがバビロニアに残り、同地の開発に貢献、やがては、他の

土地の開発を目指して進出していくのである。これがヘブライ民族史上に

世に知られた出来事で「デアスポラ」と呼ばれている。

男はヤハウエがヘブライ民族に対する最後の審判とメシア義人の救済が予

言されている時代に生を受けてきた。

アスポラの民、もしくは「離散していくユダヤの民びと」という名称

で呼ばれてきたシオンの民は、古来から、ヘブライ民族たちの宿命でもあっ

た。異邦人の土地に住み着いて、なおかつ、「神を信ずべく選ばれし者」

としての神命を意味する。男の刑死は、国人の罪の贖いのみならず、これ

らの撒き散らされた神の子らをもまたその僕べ。

男の門弟は男をラビと敬い、メシアの到来と信じてきた。

カイエパスはメシアの到来を予言する宗派には属していたが、男をメシア

として受け入れることを拒否してきたものだ。男の見せる奇跡を見世物だ

と断言した。

そこで、祭祀者の長老カイエパスとエルサレム寺院の長老たちは、その日

以来、男を策略にかけて殺害する決意をしていた。そのため男は、もはや

公然とユダヤ人の間を歩かないで、そこを出て、荒野に近い地方、塩分の

濃ゆい大湖のほとりの町に行き、そこに弟子たちと一緒に滞在していた。

そこは洗礼者ヨハネの属するエッセネ派の土地でもあり、男が弟子ととも

に修業の地として愛用してきた荒野でもあった。

ユダヤ人の過越の祭が近づいた。多くの人が、律法に従って、身を清める

ため、過越の祭の前、すこし早目に、地方からエルサレムに上ってきた。

人々は男を捜し求め、宮の庭に立って互に言った、「あなたがたはどう思

う。男はこの祭に来るだろうか」

祭司長たちとパリサイ人たちとは、男を捕えようとして、そのいどころを

知っている者があれば申し出よ、という指令を出していた。

 

 

母、マリアによる福音書

 

 

ローマの民よ、お前たちは血まな臭い、ヘレナの子供達、その孫共の子孫

- 呪われた侵略者 - とも呼ばれるべき 百卒長達の民なのです。お前たち

は、許しもなく、他人の土地へ不法にも侵入、我が民み人を犯し、我が息子

と私を、傷つけ、恥辱した。お前たちは我が善良な民人の生活を崩壊、そ\

の信条と宗教を無視、挙げ句の果てに、我が民族の伝統ある由緒正しい

仕来たりを、お前たちの皇帝が造り上げた暴力の歴史のそれに擦り替えて

しまいました。

我が同胞はタナハの啓典に記述されてある、カナンの地に住むヘブライの

民、アブラハムの末裔。われわれは、わがモーゼの信心を持って、その教

義の啓発を受けてきた民族なのです。

一方、お前たちはと言えば、まさに、お前たちの雇われ兵卒のごとく、野

蛮極まる、野獣がごとき、神を畏れぬ輩。人を殺め、女子を姦犯、自分の

身内の者すら欺き、他人の持ち物、土地まで盗む。

お前たちには報ずべき信義を持つ心がない。傲慢で、うぬぼれもの、見せ

かけばかりで、人を謀る。弓矢を持って、騎馬に跨り、戦車を駆けて、自

分のものではない他人の土地を蹂躙してきた歴史を持っています。お前た

ちの皇帝は権力に耽り、自分の力を 信じて疑わず、弱きもの、善良なもの

たちにその行使することにおぼれてきたが故に、身に一寸の鉄も帯びな

い、無手の男が、お前をくだして天国を収めることができることがあるとは思

ってもいません。

わたくしには、覚えがないというのではなく、事情があって、我をみごも

らせた男が誰であったのか、その身元を知ることができないのです。あの

時、ガリラヤの湖畔にある数々の村郷から拉致された、我が村の乙女、人

妻たちの一人であった、わたくし。あの時の7日間は、あたかも、啓典に

書かれた、ラビ師たちが描写する、煉獄に堕ちた罪深いものたちが制裁さ

れる有様にも等しかった。

「追放されて、流浪の身になった罪深いものたちは、屍体が重なり合う街

路で、それを埋葬するものは刑罰にされるので、埋葬することもできない。

悪鬼の群れは乙女たちに恋をして、邪魔をする男はこれを殺し、正しい行

いというものが、本当に正しいことを確立する可能性はなかった」

悪鬼の群れ、それは、あのローマの兵士たち、お前たちのこと。あの時、

ウマヤッド カリファテの都、ダマスカス向けて進駐の途上にあったロー

マの連隊があった。そのうちの或る小隊が、本隊に逸れて、ガリラヤの渓

谷に紛れ込み湖畔の谷合いを彷徨った。兵士たちは喉の渇き、飢えを凌

ぎ、土地の民家に踏み入り、その家畜、女子供を奪い、はむかう男がいれ

ば容赦なく殺害した。連行された女子供は惨めなものです。兵士たちの肉

欲の要求の犠牲にされ、16歳だったわたくしは。9ヶ月を経て若い母親に

なってしまったのです。

戦役は罪のない民家の村民を痛めつけます。人々はこれを犠牲者と呼ぶ。

しかし、その犠牲者たちが将来、いかなる、生活を行うことになるか、ご

存知ですか。その家族のもの、村の者、国のものから村八分、国辱者と蔑

められ、爪はじきの人生を送ることになるものなのです。結局は進駐する

異邦人兵士に身体を任せた女として、身内の、郷の、国の恥辱の表象にさ

れてしまう。

夫を待たぬ、未婚の女が、父親の身元が不明な子供を育てることは、わた

くしの時代、ユダヤの土地では難しかった。息子が飢えることがないよう

に、私は我が身を売ってまでも、できることならば、なんでも、歯を食い

しばってでもしなければならなかったのです。おお、神よ、お許し給われ。

われは、罪深い女。石打ちの刑に価する罪も重ねてきました。我が夫、ヨ

セフの助けがなかったら、今頃は煉獄の炎に焼かれていたことでありましょ

う。慈悲深いアブラハムの神のお許しをいただき、生き長らえたのは、一

筋にヨセフのお陰げ、女手ひとりの未婚の母親の弱みに付け込んでくる、

非礼な男たちの世界から、このわたくしをお救いくださいました。

五人の子供持ちで、男やもめのヨセフとの知己を得たのは、息子が未だ1

0才の頃、エルサレム近郷のアルマテアで、大工業職人の徒弟制組を統括

していた裕福な商人として知られて居たヨセフ。彼は母親を亡くした子供

たちを育てる、女親を求めていた。私はと言えば、母親としての尊厳を、

他の男性から守ってくれる男親が欲しかったのです。30歳予の歳に開き

のある夫婦となりました。

我が故郷は、ガリラヤの丘陵に囲まれる盆地に日が沈む所、ナザレという

名がある郷でした。石灰岩 と花崗岩の丘が波打ち、楡、オリーヴ、ユーカ

リの森が茂れる。「西の海」に面するカルメラの山とティベリアス湖の間

にあって、万丈の山と千尋の谷間、近辺の泉と湖を源泉として、出でてき

た豊かな地下水の流れが激しい。

ポムペイ、シーザー、アントニオ、アウガスタスの傭兵、騎馬、戦車の轍

が、目に見えぬ歴史の轍を残してきました。ここは、ローマの皇帝たちの

権力争いの戦場でもあったのです。我が土地ユダヤはローマ領、顧客の領

地、領主はヘロッド。そうです。この王は心に悩みがあり、自分の全ての

家族を殺害、我が国の偉大なラビたちを殺し、とうとう、この土地の名前

を地上から削除してしまった「ユダヤの王、悪魔」とも呼ばれた領主だっ

たのです。

かれは、数かぎりない罪を犯し、尽きぬことのない野望と名誉欲の欲する

ままに、ユダヤの地で見苦しい歴史を残しました。巨大な神殿をヨルサレ

ムの都に、西の海の港のカエサレアもマサダの砦もこの領主が造った、見

せかけだけの創造物がユダヤの歴史に残りました。

 

この顧客領の息子の一人が「四半分の領主」、アンチパス王でした。この

領主こそが、父親にも劣らぬ非道な王で、私の従姉妹エリザベスの息子、

ヨハネを斬首した領主だったのです。

洗礼のヨハネが一体何をしたと言うのでしょう。ヨハネは「四半分の領主」

アンチパスの犯した近親による姦淫、兄嫁のヘロデアスを妃にするとい

う大罪を声をあげて、公に咎めたものでした。ヘロデアスはそれを根に

持って、夫のアンチパスがある晩餐会で娘のサロメの舞を褒め称えた時、

その褒賞に、サロメにヨハネの首を望ませました。

ヘロイド, アンテパスの残忍な仕業は息子を激昂させたものです。その結

果、アンチパスとその配下の神殿の長老会のお偉い方たちの顰蹙を買い、

息子は「四半分の領主」の策略に落ちることになる羽目になってしまいま

した。息子はこの策略を知り、それを逆手に応用、その対策を思いつきま

した。

息子はその信徒たちの為に、我が身を犠牲にして、殉教者となることを創

作することで、自分の教えを末永く残す方法以外には、贈賄、汚職、買収

という権力の腐敗と乱用する時代には太刀打ちできないこと。姑息な方法

で奇跡を演出して、世間を脅かし、市政の権力者たちの顰蹙を買うのもそ

の一つであると心に決めたようでした。

本当は、ラザラスは彼の死から復活しませんでした。少々手の込んだ細工

が考案されて、ラザラスの病の知らせが息子の手元に届いたのです。マル

タとマリアのしたたかなる芝居と、仕込みが息子の案で演出されました。

息子とマリアの婚姻の晩餐会の叙述には、筆記者によってかなり真実とは

異なる情景が意識して語られておられます。たとえば、あの夜の祝賀では

開いたラザラスの屋敷の酒蔵には蔵いっぱいの酒の瓶が用意されており

ました。集まった郷民すべてでも飲みきれないほどの瓶があった次第です。

ラザラス宅の酒蔵には、ユダヤの式典に使われる、ひと壺あたり、30ガ

ロン入る神酒用のかめ壺が、120個余ありました。ラザラスの使用人は

終夜、最良の酒が口まで満載してありました。訪問客はすべて新鮮なパ

ン、酒の肴、豪勢な夕食が提供されたのです。

「みなさんに、上質な酒を宴会中終始、飲んでいただきます。我が家には

質の悪い酒は一滴も用意されておりません故」と、ラザラスは申し上げた

ものです。

ラザラスは裕福な郷主、実はわたくしの夫、ヨセフと前妻との間に生まれ

た長男でした。わたくしが、ヨセフに嫁いだ時、ヨセフは他にジェイムス

とヨセフ二世がおりました。わたくしは、かって、ローマ進駐隊、百卒長

達への慰安婦を意に反して、勤めさせられました。かくして、わたくしは、

身ごもった子供の父を認知もできない、未婚の母の生活をさせられた所以

です。

ローマの民びとよ、お前たちの一人が、我が息子の父親なのですよ。わた

しには、これを根に持って、ローマを憎むことができないのです。息子も

また同じことです。わたしは、息子がローマを憎むことがないよう、その

父を憎むことがなきよう、わたくしなりに、不肖な息子とはいえ、立派に

育てあげてまいったつもりです。

宿した胎児を慈しむのは母親の性。わたくしは女、生命の芽を宿し育てる

温床の土でしかありません。おとこが撒き散らす種を、子宮の器に受け入

れて、それに肉と血の生命を施す性を持つものなのです。

わたくしは、お前の血を意思に反して受け入れて、母親になった。この土

地には我が胎内に宿した生命を処置する心を持つ母親はおりません。わた

くしは、息子を心から愛して慈しむのです。

ローマの民はそのご先祖の歴史から誤った知性を学びとってきたのかもし

れません。しかしながら、我が子がこの胎内に宿ったのであれば、この子

がわたくしの血と肉の生命を分けて持つことは必定。我が胎内に根ざした

生命ならば、アブラハムの始祖伝来のカナンのヘブライ民として、タナハ

の書に明記された信仰の民でもありましょう。息子は正しい義人として生

きますでしょう。

息子が成長して19歳に達してから、主、ヤハウエの教えを教え始めまし

た。主を敬い、人を愛する事。息子は、教えました。もし、その子の頬を

打つものが居れば、他の頬をも打たせるように。そして、相手が敵対する

人で有ってもこれを愛するように。

息子は門弟を称するものたちにこう申しました。

「汝の主ヤハウエを心から敬え、神は敬うものの心に宿り、霊に宿り、心

身に宿る。そして、我が隣人を自分のごとく愛することを、肝に銘じて覚

えておきなさい」

そして、こうも申しました。「よろしいか。悪魔のようなひとにも敵対す

るべきではありません。だれかが、あなたの右の頬を叩くのならば、もう

一方の頬を向けて、もう一つ、打たせてあげなさい」

神の掟の真意はあなたに危害を加えるものでも、自分の隣人と同じように

徹底して愛することの意味に拘泥すること。息子がその教えに執着したの

は、わたくしの半生をその目で見てきた息子の苦悶にもとずいております。

敵対する者たちの敵意を全身に受けて、さらにその上、相手を許するだけ

の寛容なこころを養うことが、自分だけではなくして、世の中を明るくす

るものか理解しなければならないということなのでしょう。

惜しむらくは、息子の教えを心からわかった信徒は少なく、あるものは、

息子の異常な人格とたまたま見せる奇跡的な行為にばかり魅せられて、息

子が師としての証拠を表示することばかりに専心すること。それが、息子

を大変憂いさせたものとも言えます。

息子は自分についてくるものを、確実に満足させる限界の極限に達してい

る事態に、気が付いていたようです。あの子は、信徒には、一見して、神

秘な行為を見せることが、より効果的な顕示であることを感じ取りました

それは、ヘブライ暦、ニサンの月の15日、過越の聖なる日の為に羊が生

贄にされた時、新婚のマリアと弟子たちを伴って、息子に、聖なる日の晩

餐をどこで行うのかと、尋ねたときのことでした。息子は、弟子のうちの

二人を選び、近くの街に行き、水甕を担いだ男に会ってくるように指図し

ました。

「その男について行って、男が訪問する家の主人と話し、お前たちの師が、

わたしと信徒、その家族のものが食事の出きる部屋を調達したい旨、問い

合わせななさい。男は二階に準備された長椅子付きの大きな食用の部屋

に案内してくれるはずです。その部屋を晩餐と為に準備しなさい」

弟子たちは息子の言葉に従って、町に向かい、そこで、言われたとうりの

家と部屋を見つけ、過越の聖なる日を過ごす用意をしました。

その夕べ、息子の嫁とわたくしは、他の12人の門弟と伴って、その晩餐

会の家に着きました。そして、食事が始まりますと、息子はやおら居をす

まして、こう申しました。「今ここで、申し上げておきたいことがある。

それというのも、じつは、今ここで食事をともにしているあなた方の一人

が、今夜、私を裏切って、わたしを、当局に内報します」

門人たちは、それを聞いて、大いに驚き、怖れ慄いてしまいました。

「師よ、それは私のことでしょうか」と。イスカリオテのユダ、マリアと私

はその時は無言のまま成り行きを見守っておりました。

息子は言葉をつずけて、語りました。「それは、今ここで、私と食事をと

もにしている、お前たち12人のうちの一人だ。そうだ、おまえたちのひ

とりが、ここに運命の日を迎えるのだ、まさに聖なる本で予言されている

ことが本当に行われる。お前たちの師は今夜、裏切られるのだ。わたくし

を裏切る、そのおとこは生まれれてくるべきではなかったことを肝に銘じ

て、その事実を知ることになる」

この言葉をきっかけに、時を計らって、ユダは静かに問いました。

「主よ、私ではありますまいね」

息子はしばらく無言のまま、ユダの眼を見つめたのち、静かに、

「それを、いうのは、おまえでしかあるまいよ」と、応じました。

そして夕食は続けられました。息子はパンを取り上げ、二つに割ってこう

言いました。「このパンを受け取りなさい」「これを私の肉体と思いなさ

い」と、そしてコップを取り上げ、これは私の血液、あなたたちと私の合

意を契約するもの、以後たくさんの人々との契約に注がれるがれるもので

す。ここではっきり申し上げておきましょう。わたしが、神の御国で新し

い聖神酒をいただくまで、ここではもうワインを飲まないことを、約束し

ましょう。

イスカリオテのユダは、息子が演出した役を見事に演じたものです。ユダ

は息子の門弟の中では最も頭脳明晰、正直者で、会ではその才能が認め

られて、お勝手の財布、会計を務めておりました。

息子は息子の気持ちを理解して、この重要な役を務められるのは、ユダを

除いて他には誰もいないことを存じておりました。門弟の中ではイスカリ

オテのユダのみがナザレの出身でないこと。すなはち、血縁者の縁と血で

繋がれた連体感以外に宗教団体としての会のプログラムを促進していくだ

けの冷静な頭脳を持ち合わせていたからでしょう。

サバテの第一夜が明ける前に、計画どうり、息子は逮捕され、牢に入れら

れました。息子は法廷で死刑を宣告されました。

息子が磔になったあの夜、息子の妻とわたくしは、秘密裏に弟子のひとり、

双生児のトマスと密会していました。トマスは実はわたくしと、夫、アレ

マテアのジョセフとの間に生まれた実子、腹違いの兄をラビ師として慕い、

どこにでも、宣教のためについて行ったものです。トマスの名前に「双生

児」という字がつけられたのは、トマスが息子にそっくりなので、他人は

良く二人を見間違いすることがあったこともあってのことです。私どもは、

トマスに事情を話して、彼の師が常用していた純白の衣を着せて、顔に細

工を施して、年が老けて見えるよう化粧をしました。

私どもはトマスを息子が埋葬されている墓に連れて行きました。そこには、

案の定、ピラテ総督と長老会に雇われた兵士たちが墓を見張っておりまし

たが、トマスを一目見るなり、突然、腰を抜かさんばっかりに、悲鳴を上

げて逃げ去ってしまいました。

私どもの予測どうり、死人が生き返って、墓の石戸の隙間から出てきたと

でも思ったのでしょう。護衛の中の数人は、石戸を押し開いて、墓の中に

あるはずの屍体を探しましたが、ヨセフは計画どうり、息子の死骸を石床

の下に隠してありましたので、あるべきはずの石床には血にまみれたキャ

タビラだけが残されていた次第です。

恐れおののいた、護衛兵士たちは、トマスをみて、彼が磔にされた、トマ

スの兄、私の息子だと思った次第です。護衛のものの中には、トマスをみ

て、天界から降りてきた天使が、石戸を開けて、その石の上に座っている

のだと思ったそうです。

うろたえて、騒然としている、護衛の兵士の前に、息子の嫁とわたくしは、

その天使と間違えられた、トマスの前に跪きました。

トマスは暗記してきた、セリフを堂々と述べ上げました。

「ご婦人たち、恐るに能わず。あなた方は、あなた方のをメシアをお探し

のことだと思いますが、磔になられたあの方は、ここにはいらっしゃいま

せん。すでに昇天、あの方がおっしゃいましたとうり、天界にお召し上が

りました。どうぞ、中に入って、お見極めください。そして、お弟子さん

の皆さんにこう、お告げください」

『あの方は、死から復活されたまい、これから、故郷のガリラヤを皆さん

より一歩先にいたり、そこで、お会いします、と』

わたくしと私の娘嫁は喜びと、畏敬の様を、あからさまに見せながら、恐

れおののく、警備のローマ兵を後にして、残された息子の使徒に息子が生

き返ったいたことを知らせるべく、その場を離れました。

私どもがそのこの吉報をもって、都に向かったとき、護衛隊の中の数人が、

神殿の長老会の長老者たちのもとに走り、息子の墓でその朝起こったこと

を報告に行ったそうです。長老会では、即刻、会議を開き、討議の結果、

沢山の金子をその護衛隊のものに授け、次のような、指示を与えたそうで

す。

「今朝、報告によると、磔になった囚人の一人の、門弟たちが、警備のも

のたちが眠っている間に、墓を開けて、その亡骸を盗んでしまった、とい

うことである」という、風聞を流せという指令でした。

すなはち、この風聞を流すことにより、もし、領事、ピラテが今朝起こっ

た醜聞を耳にした時、警備に当たった護衛の者たちの失策とならぬよう取

り計らった次第でもあります。

兵士どもはその金子を受け取り、長老の指示に従って、言いつけられた風

聞をながし、その話はあたかも事実だったかのように、ユダヤの民たちの

記憶に残ることになりました。

メシアと呼称された私の息子の行った企画、その復活の奇跡を、わたくし

の口から正しく申し残しておくこと。そしてそれが、そのとうり行われた

ことをここに申し残す必要がありました。

 

 

 

 

 

 

*ヨハン・ゼバスティアン・バッハによるマタイ受難曲を引用

2015年 2月16日

 

 

 

 

 

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